文学フリマ東京でナナルイ発行最新刊を販売します
NIL著『NILOG-融ける身体から思考する身体へ』を、11月20日開催の文学フリマ東京にて販売します。ナナルイホームページからも、ご購入いただけます。
去年のこと。NILさんからオンラインでプログラミングを学んでいた。一回の講義が120分。講義が終わり、その日の受講料をネットで送金してから、雑談が始まる。NILさんの話が面白いので、なかなか切れない。ラジオを聴くように、パソコンのスピーカーから流れる声に耳を傾けていた。
2022年1月1日、NILさんは声のブログ、NILOGをはじめた。5日目に語った締めくくりの内容は次のようなものだった。
「治らない傷や病。無意識的なダメージの蓄積が、あるとき大きな破綻を生んでしまうことがある。それを回避するのではなく、どう受け入れていくのか、付き合っていくのか、向き合っていくのか、という現実に直面したときに、アートがひとつのヒントになる」
次の日、NILさんに連絡した。出版社を立ち上げたいと思っていること、NILさんと芸術の本を作っていきたいと思っていることを伝えた。
図書館の分類記号には、0類から9類まであり、7類は芸術の分野を意味している。出版するなら芸術の本、と心に決め、出版社「ナナルイ」と名づけた。ナナルイが出版したいのは、生活の中にある芸術の本。NILOGはそのコンセプトにぴったりだと思った。
ゲンロン批評再生塾出身の小川和輝さんに編集をお願いして、オンライン会議を始めた。NILさんと小川さんが対話をはじめると、NILOGにゲストを迎えたような雰囲気になり、打ち合わせの会議なのに、つい聴き入ってしまう。各々の仕事を終えて、だいたい21時過ぎから始まるオンラインでの打ち合わせ。日常生活と結びつく芸術の在り方が、いつも話題の中心になった。
NILさんと小川さんは、互いに信頼し合い、最後の追い込みでは、何度も何度も対話を重ね、徹夜を続けて、最終稿を完成させた。NILさんに本を書いてもらいたいと連絡してから10ヶ月。2022年11月5日に、待望の本としての『NILOG』が完成した。
来年には、全国の書店に流通させるため、改めて完成版『NILOG』を出版したい。それがナナルイの使命だと考えている。
(ナナルイ編集部)
本文 あとがきより