ナナルイ2期目に入ります!

ナナルイは小さな出版社です。全国の本屋さんに流通してもらうために、株式会社トランスビューの工藤さんに会いに行ったのは昨年の6月13日でした。工藤さんからひととおり説明を受けて、わかったような顔をしていましたが何もわからないまま出版社としての仕事を6月29日にスタートさせました。まずは9月にわたしの祖父と作家杉浦明平との交流を軸とした歌集を発行し、次に11月の文学フリマに照準を合わせて、現代美術とメディアアートについての冊子をNILさんにお願いして発行し、年が明けて2月に大東忍さんの木炭画の作品集を発行しました。

ナナルイが最初に発行した3冊の本

ここまでは発行部数をそれぞれ数百部にしていて、まだ出版社としての自覚もあまり持たないまま楽しんで仕事をしていました。4月27日に発売した金川晋吾さんの写真集『長い間』はそれなりの部数を発行したので、5月中旬くらいから少し気持ちが不安定になったりしました。不安定というよりも、わたしはなんで出版社なんて立ち上げてしまったんだろうという罪悪感に近い感覚に襲われていたのです。週3日、派遣社員として働いている図書館にいても、気が紛れるどころか、本に囲まれていることに耐えられなくなっていました。半月間は食欲もなくなりどうしたらいいだろうと気を病んでいました。

6月に入ったら罪悪感と戯れている暇もなくなりました。日記屋月日、B&B、プライベイトでの『長い間』刊行記念イベントが続き、金川さんの伴走者として走りつづけていたからです。走っているうちにランナーズハイみたいな気持ちになりました。イベントラッシュの最後は7月1日のNADiffさんで行われる、金川さんと作家太田靖久さんとの対談です。4月末に、営業が苦手なほうのナナルイ鈴木が恵比寿のNADiff さんに訪問したことがきっかけであれよあれよという間に決まったイベントです。気づけば完全に罪悪感から抜け出していました。一年かかりましたが、出版社としてこれから何をやっていけばいいのかがわかってきたような気がします。

NADiff a/p/a/r/tさんでの展示風景

「『長い間』を10年かかってもいいから売っていきます!」とトランスビューで月に一度の飲み会の席で発言したら、「出版社を10年続けることが難しいんだよ」との返しが。これは本当に重い言葉でした。そんなことすらわかっていなかった。

死ぬまで、ナナルイです!と名乗れることができるのだろうか?ナナルイと言う名前はとても気に入っているので、これからもずっとナナルイとして頑張っていきたいと思います。

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